2020/10/21 22:44

一つが生きるには沢山の力を必要とする。

そして、その一つも他の何かの必要な力となっている。互いが互いを支え合う話し。


立ち上がり前に歩み始めた。

草花の話し声に聞き入りながら、

草原を歩み続けた。

草花を傷つけないようにそーっと。


少し歩くと、大きな木に出会った。

木の近くに歩み寄り、見上げると

高くそびえ立つ太い幹の先には

沢山の緑の葉と花や実がなっていた。


木も生きている。

それは当然の事だけど何故だか

この木は『生きている』と強く思った。

脈動を感じた。

私は幹に手を添え目を閉じた。


木は沢山の映像を見せてくれて、

静かに語り始めた。


ワタシはね、根から土の栄養を含む水を頂き、太陽の光により生かされているの。

その土も沢山の『いのち』により成り立っているのよ。

そのおかげでワタシには、

こんなに沢山の花や実がなり、

沢山の葉が息づく。

だから、今度はワタシが、他のために。

この実や花は、必要としているモノに分け与えられるし、

実や花や葉は再び土にかえって、

他のチカラにもなれる。

枝は鳥達の休息の場となるでしょ。

暑い日には生き物達の木陰にもなれるし、

雨が降れば、濡れないように守る事もできる。

必ず何かの役には立てているの。

そう思ったら、とても幸せを感じられる。

と、微笑みかけてくれた。


私は目を開け、また木を見上げた。

太陽の光が葉の間からはいり込み

とてもキラキラ輝いていた。