2020/10/21 22:55

受け入れるには時間がかかる事もある。

でも少しずつでも受け入れようと思う気持ちが芽生えたら、そこから先は違う未来が待っている。



風は、沢山の話しを教えてくれた。


「僕はさ、沢山のところで沢山の出会いをするけれど、時には沢山の心と向き合う事が必要とされるんだ。

僕が預かってきた想いを届けたかったんだけどさ、なかなか受け取ってくれなくて

あの時は、本当に困った

あの手この手で方法を試したけど

全くだめで…」


『それは困ったね。

どうして受け取らないんだろ?』


「何かね。辛い事があって、もう誰の事も信じられないと言っていたんだ…」


『そうだったんだね…』


「うん。でも僕はどうしてもそれは届けなきゃいけなくて、拒否されても何とかして

渡して欲しいと言われてたから、その想いも届けたかったし。それに、心のどこかでは待っているハズだと言われてたから。」


『それで、どうしたの?』


「うん。色々試してだめだったから

何もしなかった。

ただ、受け取るのを待ち続けて側にいたの。

閉ざしていたものを外から壊すのは違うと気づいたから、中から出てくるのを待ったんだ。ただココに居るよーと伝え続けてたよ。」


『直ぐにでてきた?』


「ううん。でもね。きっと受け取り方を忘れただけだと思ったから。

ソレを目に入る所に置いて、少し離れた所から見守っていたの。

時間はかかったけど、少しずつソレに近づいては離れてを繰り返して

やっと開けてくれた。」


『良かったー。』


「うん。

そしたらね。

開けた途端に大声で泣き出してしまって、

暫く泣き続けて。

何日も泣き続けて

全部の涙が出きったあとに

僕を見つけて、近寄って来て話しかけてくれたんだ。」


続く