2020/11/20 22:15

思い込みは、自身の幅を狭め、

時には他の何かを傷つけることもある。

大きな視野をもち受け入れていく事で

知識も増え自身も豊かになれる。





少し幸せな気分を味わいながら

また立ちあがり歩き始めた。


木までは少し距離があった。

木は綺麗な白い色をしていて、

フンワリとした光をまとってるように見えた。

私の中で知る木のイメージとは少し違うように感じながら歩いていた。


木は茶色の幹や枝で緑の葉が私の持つイメージだったので、

何だろう?近づいて大丈夫かな?

モヤがかかってるだけかな?

と、何となく不安になった。


近づいて木を見ると綺麗な白だった。


私は少し距離をとって

何で白いんだろう?

という思いで眺めていた。


木が私に気づき

「どうしたの?

 近くに来てお話しをしましょう」

 と、優しく話しかけてくれた。


私は、思わず

『あなたは、なぜ白いの?病気なの?』

と聞いた。


「え?どうして?」木は笑いながら聞いた。


『だって白いよ』


「そうよ。ワタシは白いのよ。」


『だから何故白いの?

 普通と違うから気になって


「ワタシは白い木なのよ。

 白がワタシの普通なのよ。

 他の色じゃなく、白がワタシなの。

 だから理由を聞かれても

 ワタシはワタシだから。だから白いの。

 としか答えられないわ」


木は笑いながら答えてくれた。


『そうじゃ、病気でも何でもないの?』


「えぇ、そうよ。

 私は白い木。ただそれだけよ。

 あなたが勝手に木は白じゃないと

 思い込んだだけかもね。

 この地にはあらゆる形や色の

 沢山のモノがいるのよ。」


『それなら良かった。安心した。

 私の勝手な思い込みで、

 失礼な事を聞いてごめんなさい。』


「いいのよ。

 アナタが知っている中には

 無かった事なんだから。

 でも良かったわ。

 これでアナタに一つ

 新しい考えが追加されたわね」


『そうだね。』

そう話しながら私達は笑いあった。