2020/11/23 09:23
自身の感じた事や思った事を
他の誰かと共感できた時
答えあわせが出来た感覚となり
安心出来る。
白い木に寄りかからせて貰って綺麗な湖を眺めながら、私は白い木と話しを続けた。
『この湖は本当にキレイ。
さっき、水の精達と話しをして
キレイな理由を教えて貰ったの』
「えぇ、さっき見ていたわ。
水の精達は、いつも楽しみながら
動いているから、ココに来る皆んなを
元気にするのよ。素敵なことよね。」
『そうなの!私もいつの間にか
笑顔になっていたみたいで、
気持ちもほぐれていた』
「そうだったの。
あなたも元気になれて良かったわ。」
『そういえば、ココに来る前にも
草原の木に出会ったわ。
そこでもこうして休ませて貰ったの』
「そうだったの。
それは草原を見守る木の事ね。
私達は移動が出来ないから、
風や大地や鳥達や皆が、様子を伝えて
くれたり、伝言をしてくれるのよ。
だから、互いの事を
知る事が出来てるの」
『会って話してみたいとは思わないの?』
「知ってしまうと…
会って話してみたいとは
思った事もあるけど、
それは出来ない事だと理解しているし。
その分、こうして皆が教えてくれて
皆と話せる機会が増えている。
だって、皆が教えてくれなければ
どこにどんな木が居たかということすら
知る事が出来なかったんだから。
話してくれる皆に
感謝の思いしかないわ』
『そうだったんだね…
最初に知らなかった事を思えば、
知る事が出来た。のだから
良かったんだよね。』
「そうね。その気持ちを忘れてしまうと、
移動が出来ない事に
不満が出てしまうから
忘れてはいけない気持ちなの。
最初の大切な気持ちなのよ。」
私が風と離れて思った気持ちと同じような想いだな、と感じながら聞いていた。