2021/01/25 15:53

3.何毎にも、自分の事を知っておく事で、加減ができる。多すぎても、少なすぎても、やり過ぎても、立ち止まり過ぎても良くない。
ちょうど良い所を知っておく。
見極める力を身につける。



私と風は白い木にお別れをして、
歩き始めた。
湖の水の精たちが私に気づき近寄ってきた。

「ねぇ、ねぇ、どこかに行くの?」

『うん。そろそろ次に進もうと思って」

「そう、もうすぐ雨雲がやってくるみたいだから濡れない場所を探しながら行った方が良いよ」

『そうなんだ。教えてくれてありがとう』

「うん。それと、
ここから水ももって行くとよいよ」

『いいの?』

「もちろん、みんなのものだからね。そこの木の筒に入れていくとよいよ」

『助かるよ。ありがとう!』

「必要な物が手元にあると
安心できるでしょ?
せっかく、何かしようと思っても、
必要な物が無いと不安が先にきて、
やりたい事も出来ないもんね。
でも、だからと言って、
欲張って沢山持ちすぎても
今度は重くて進む妨げになるしね、
だから必要な量が入るコノ筒はちょうど良いと思うんだ、君にあった量のはずだよ」

水の精たちが、
その筒に水を入れながら教えてくれた。

渡された筒はたしかに
丁度良い重さだった。

『ありがとう。大切に飲むね』

私はそう感謝を伝えて歩き出した。