2021/03/13 14:51
13.
周りと同じでいなきゃ、という考え方は
時には苦しみに変わってしまう。
普通という考え方すら
人それぞれに違うことに先ずは気付こう。
皆がそれぞれ違うからこそ補い合え
支え合え、共に歩んでいける。
それぞれが特徴を伸ばし
気持ちが凝り固まらない生き方が出来たら
もっと自由な良い世の中になっていける。
私達が話しを終えると
白い鳥の側に小さな白い鳥が寄ってきた。
『もしかして、白い鳥の子なの?』
私が聞くと
〈そう。わたしの子。
ほら、あそこを飛んでいるのも
わたしの子達よ。
他の子達は上手に羽を使いこなして
自由に飛べているんだけど…
この子だけはまだ助けが必要なの〉
白い鳥は空を飛ぶ他の子達の飛ぶ様子を
見上げながら話してくれた。
私も一緒に他の鳥達を見上げてみたが
見た感じは変わらないように思えた。
『そうなんだ。
見た目は何も変わらないように
見えるんだけど…』
〈そうね。でも羽の左右の大きさが
少しだけど違う大きさで産まれたの。
だからバランスが取りづらくて
皆と同じようにすんなりと飛べなくて。
飛ぶ時も
休みながら少しずつ進んでいるの。
皆と同じように産んであげれずに
申し訳ないと思っているの…〉
『そうだったの…
あなたにしか分からない気持ちや
この子にしか分からない気持ちが
沢山沢山沢山あると思うから…
簡単に言える言葉は見つからないわ。
でも何か私に出来る事がないか
考えてみる!』
一緒に聞いてた風が
「うん、そうだね。君たちにしか
分からない辛さや苦しんでる気持ちに
簡単な言葉は見つからないから…
もしよければ、
僕に乗って練習してみない?
コツを掴みやすくなるかも!」
『そうだね。風なら沢山の鳥達を
運んできてるから何かコツの掴み方を
教えられるかも』
〈ありがとう。
そうね…
わたしは他の子達と同じように
飛ばせてあげたい一心でだったから…
無理をさせていた所もあるかもしれない。
この子の特徴を掴みきっていなかったわ。
風に少しお願いしても良いかしら?〉
「もちろん。皆が同じではないから、
きっとこの子には、この子の飛びやすい
方法があるハズなんだ。
この子が無理をせずに
楽しく飛べる飛び方がきっとあるよ」
風に誘われて、白い鳥の子は嬉しそうに練習を始めた。